
研究用プラットフォームヒューマノイドロボット「Hearbo」デザイン
株式会社ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン
デザインコンセプトはオズの魔法使いに出てくるブリキの木こりでした。お話の中でブリキの木こりはハートを求めて旅に出ます。Hearboも研究が進むにつれてコミュニケーションが促進される点が重なりました。























「福笑い」による愛着のデザイン
デザイン面では研究を促進し邪魔しないシンプルでクリーンな外観を持ち、機能を向上させる外装構造を模索することになりました。すると試験管やノギスなどの道具としてのロボットの佇まいが見えてきました。
しかしヒューマノイドロボットの大きな特徴はもちろん人型であることです。研究が始り、長く同じ部屋にいることになり目が合う人型の道具にはいずれ愛着が沸くであろう事が想像できました。愛着の落ち着きどころ、心の通わせ方の入り口を用意しデザインする必要がありました。そこでチームによって異なるデバイスを用いる点に着目し「福笑い」をモチーフに取り入れました。聴覚研究、視覚研究、発話研究などによって大きく顔と表情が変わるようセンサ類にデザインを施し、各チームのユニークな顔を作る文化をデザインしたのです。






研究者向けプロダクトデザイン
各所に配されたシルバーの小さな円盤はブリキの木こりのリベットのメタファーであり、ヒューマノイドロボットの欠点であった低メンテンナンス性を解消する手ねじでした。全ての外装カバーやデバイスのを付け外しするのに工具を必要とせず変更やトラブルに簡便に対応できます。デバイスの結線作業も頭部内の余丁配線をまとめる糸巻き形状や各所に設けられた配線向けスリット構造を用い簡便さをデザインできた。また研究という実利的な作業を進めるにおいて、機構形状の制約から出てきた肩口の平面にデバイスや工具をついつい置いてしまうアフォーダンス性に気が付きました。逆にその自然な行為を利用し助長させるべく、トレイ形状としシリコンシートを敷き作業用短期的小物置き場としてデザインをしました。全ては研究を進めやいように、使いやすく難しくなく手早く確実に、研究用プロダクトとしてのデザインが必要でした。





